仕事で Microsoft Azure に関わるにあたって読んだ 4 冊の書籍について、どの程度の難易度か、どういった内容を学びたい場合に読むべきかをそれぞれ紹介します。
ひと目でわかるAzure 基本から学ぶサーバー&ネットワーク構築 第3版
難易度: ★
Azure で仮想マシンや仮想ネットワークを構築する流れが非常に丁寧に解説されている書籍です。
可用性セットやロードバランサ、バックアップなど、Azure で仮想マシンを使う際に必要な内容がしっかり解説されています。
PaaS やデータベースなどの解説は含まれていないので、この書籍だけで実務に臨むのは難しいです。
Azure や AWS などで仮想マシン・仮想ネットワークを作成するイメージがまだ湧いていないという方が最初の一歩として読むのにオススメです。
Azureテクノロジ入門 2019
難易度: ★
Azure の主要サービスについて一通り解説されている入門書です。
IaaS や PaaS、データベースといった基本サービスに加え、データ分析系のサービスや Azure Functions など、Azure を使う上でまず知っとくべきサービスを一通りおさえることができます。
AWS など、他のパブリック・クラウドの設計知識がある方であれば、どのサービスが Azure のどのサービスに対応するのか、それぞれどういった違いがあるのかを把握できる書籍になっています。
各サービスの概要を紹介する書籍であり、それらを組み合わせた設計については別途学ぶ必要がありますが、Azure のサービスの全体像を把握したいという方にオススメです。
Microsoft Azure実践ガイド
難易度: ★★
上記の『Azureテクノロジ入門 2019』よりもう一歩詳しく各サービスを解説した書籍です。
Infrastructure as Code やリファレンスアーキテクチャなどについても章を割いて書かれていますが、クラウドの設計知識を身に付けるには物足りないと思われます。
Azure の各サービスについて、どういった設定があるのかなどを幅広く体系的に学びたい場合にオススメの書籍です。
クラウドデザインパターン Azureを例としたクラウドアフリケーション設計の手引き
難易度: ★★★
「クラウドデザインパターン」というタイトルではありますが、クラウドの設計というよりは、モダンなアプリケーション・アーキテクチャ、インフラ・アーキテクチャを幅広く解説した書籍です。
表紙に「Azure、AWS など、汎用的に適用できる」と書かれていますが、もはやクラウドに限らず適用できる設計の手引きです。
ある程度高度な設計について解説されているので、AWS の基本的な設計パターンを解説した Web サイト・書籍である
と比べるとかなり高度な内容になっています。
上記の AWS クラウドデザインパターンについての Web サイト・書籍でクラウドの基本的な設計を学んだ後、さらに設計知識を深めるのに適した一冊です。