先日メタバースという言葉を知ったので、その概要や、現状を調べてまとめました。
メタバースについて、2021/01/24 時点での (主に) 日本語情報をまとめた記事になります。
メタバースの概要から、メタバース系の SNS やゲーム、VTuber 業界の動向、その他関連情報をまとめています。
メタバースとは
まずは Wikipedia 調べ
Wikipedia の Metaverse のページから引用すると、以下のように書かれています。(日本語記事がまだなかったため、英語の記事を参照しました)
The Metaverse is a collective virtual shared space, created by the convergence of virtually enhanced physical reality and physically persistent virtual space, including the sum of all virtual worlds, augmented reality, and the Internet. The word “metaverse” is made up of the prefix “meta” (meaning beyond) and the stem “verse” (a backformation from “universe”); the term is typically used to describe the concept of a future iteration of the internet, made up of persistent, shared, 3D virtual spaces linked into a perceived virtual universe.
これを DeepL で翻訳すると、以下のようになりました。
メタバースは、すべての仮想世界、拡張現実、インターネットの総和を含む、仮想的に強化された物理的現実と物理的に持続する仮想空間の収束によって生み出される、集合的な仮想的共有空間である。メタバースという言葉は、接頭語の “meta”(その先を意味する)と語幹の “verse”(“universe “からの派生形)で構成されています。
Wikipedia にありがちな分かったような分からないような説明ですが、要するに、メタバースとはある種の「仮想的共有空間」のことのようです。
「世界」などを意味する “universe” に「その先」を意味する “meta” をつけてできた言葉なので、「この世界をより進めた次の世界」のような意味合いでの命名のようです。
もう少し分かりやすく説明すると
もう少し分かりやすいメタバースの説明として、「知能処理とメタバースの可能性」から引用すると、
利用者はアバターと呼ばれる分身を介して、3 次元メタバース空間の中を自由に動き回ったり、他の参加者とコミュニケーションすることができる
とのことです。
これなら理解できた方も少なくないと思います。
有名な作品だと、「マトリックス」や「ソードアート・オンライン」をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
語源
いつから存在する言葉なのか気になったので語源も調べたところ、いくつかのページ等が見つかりました。
- 知能処理とメタバースの可能性
- メタバースにおけるビジネスモデルとその効果に関する考察
- メタバースとは (メタバースとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
- フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか
どの情報源もメタバースの語源を同じように説明しています。
どうやらメタバースという言葉は、アメリカの SF 作家・ニール・スティーヴンスンが 1992 年に発表した SF 小説『スノウ・クラッシュ』で作られた造語のようです。
小説『スノウ・クラッシュ』については、「フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか」という記事に以下のように書かれており、なかなかオススメできる書籍のようです。
大手テック企業の社長室には似た本やモノが置いていることがあるが、最近だと「メタバース」や「アバター」と名付けたニール・スティーヴンスンの「スノウ・クラッシュ」が一番読まれているのではないかと思う。
メタバース周辺の動向
では、メタバースの意味や語源を理解できたところで、ここからはメタバース周辺の動向をまとめていきます。
SNS
まずは SNS 系のサービスを紹介していきます。
VRChat
現状 VR 系の SNS として現在一番有名なのは VRChat ではないかと思います。
アメリカの VRChat 社が運営しています。
VR 機器がなくても利用可能です。
Second Life
2003 年に公開された、メタバース系のサービスです。(VR ではありません)
アメリカの Linden Lab 社が運営しています。
最近は利用は活発ではないようですが、昔からあるサービスとして名前が挙がることが多いです。
Sansar
Second Life の運営元が新たに公開した VR SNS です。
VRChat に続いて有名なサービスです。
Cluster
日本のクラスター株式会社が運営している VR サービスです。
他の VR SNS と比べて、イベントや会議に強いイメージがあります。
スマホアプリもあり、気軽に楽しむことができます。
NeosVR
SNS に分類していいのか分かりませんが、こちらも VR のメタバースサービスです。
特徴としては、VR 空間でプレイヤーが各種プログラミング可能なことが挙げられます。
以下の記事が非常に分かりやすいです。
ゲーム
メタバースの例としては、ゲームが挙げられることもあります。
フォートナイト
メタバース的なゲームとして最も名前が挙がるのは、「フォートナイト」です。
アメリカの Epic Games 社が販売しており、基本無料でプレイ可能です。
参考
あつまれ どうぶつの森
任天堂の「あつまれ どうぶつの森」もメタバース的なゲームであると言われることがあります。
たしかに、アバターで仮想空間を動き回り他のプレイヤーとコミュニケーションするという意味では、まさにメタバースであると言えます。
参考
VTuber
VTuber 界隈でも「メタバース」という単語が挙がることがあるので、有名どころを紹介していきます。
Activ8株式会社
(自称) 世界初の VTuber キズナアイを生んだ会社です。
会社としてはそもそもメタバースを生み出すための過程として VTuber 事業を行なっているとのことです。
参考
カバー株式会社
VTuber 事務所「ホロライブ」を運営する会社です。
所属するタレント (VTuber) が出演するバーチャルライブやオンラインゲームといった、メタバース領域に取り組もうとしています。
参考
株式会社いちから
「ホロライブ」と並んで有名な VTuber グループ「にじさんじ」の運営会社です。
こちらはメタバースという言葉を出している訳ではありませんが、近い要素のあるサービスとして「ユメノグラフィア」を提供しています。
メタバースとブロックチェーンの組み合わせ
メタバースについて調べていると、ブロックチェーンとの組み合わせについて語られる例がいくつかあります。
こういった記事には、
- 記録が完全に残るブロックチェーンを利用することで、メタバースの外部での通貨のやりとりを規制する
- 特定の国家や組織に依存しないブロックチェーンを利用することで、中央集権でないメタバースが実現可能になる
といったことが書かれています。
参考
その他のサービス
その他、メタバース関係のサービスについての記事をいくつか挙げておきます。
- もう一つの世界「Facebook Horizon」:世界初のメタバース誕生へ(1/6)
- メタバースが始まる:NVIDIA Omniverse のオープン ベータが開始
- AR Creative Studioを行うMESON、メタバース上でのユースケースを実験する“MESON Metaverse Lab”開設!
メタバースの今・昔
「メタバース」自体は 1992 年に発表された小説が語源であり、決して新しい言葉ではありません。
メタバースという概念の少し昔について書かれた記事をいくつか挙げておきます。
所感
クラウドや VR といった技術の発展により、メタバースの世界観は非常に身近になりつつあると思います。
また、現状でも、オンラインゲーム上で知り合った友達と現実の友達のように仲良くなってコミュニケーションしているという方は少なくありません。 これは、すでにオンラインゲームをメタバースのように捉えているということだと思います。
メタバースの世界観はまだ一般に受け入れられるほどにはなっていませんが、そう遠くないうちに浸透すると思います。
中には日本が得意な領域もあると思うので、そういった分野で日本が活躍できることも期待したいです。