2021 年ももう終わろうとしています。
この 1 年、私が身のまわりで感じた IT トレンドについてまとめようと思います。
昨年 => 【2020 年末】自分のまわりで感じる IT トレンドの 18 のテーマ
※ 昨年は初めてこういった記事を書いたため、それまで数年で感じた要素も含めています。今年はまさにこの 1 年で感じたトピックのみを書いているので、昨年の記事より少なめのテーマ数になります。
目次
- MLOps
- 反マイクロサービス
- Tailwind CSS
- ノーコード
- リモート会議・イベントツール
- 自作◯◯
- メタバース
- NFT
MLOps
自分が関心を持っていたのもありますが、「MLOps」は今年非常に大きなトレンドになっていたと思います。
数年前から使われ始めていた言葉で、昨年くらいから浸透しそうな雰囲気がありましたが、今年一気に波が来た、という印象です。
昨年までは MLOps に関する書籍もほとんどなかったのですが、今年は非常にたくさん発売されています。
MLOps は機械学習を実戦投入する上で重要という性質上、一過性のブームではなく、今後も発展すると思います。 (DevOps のように、言葉自体を聞く頻度は減るかもしれませんが、その思想やプラクティスは長く残ると思います)
関連書籍
- 『AIエンジニアのための機械学習システムデザインパターン』
- 『入門 機械学習パイプライン ―TensorFlowで学ぶワークフローの自動化』
- 『機械学習デザインパターン ―データ準備、モデル構築、MLOpsの実践上の問題と解決』
- 『実践 AWSデータサイエンス ―エンドツーエンドのMLOpsパイプライン実装』
反マイクロサービス
数年前に流行して採用される機会が増えた「マイクロサービスアーキテクチャ」に対し、反対する考え方がトレンドだと感じます。
マイクロサービス自体が悪いというよりも、実態以上に持て囃されて「よく知らないけどイケてるらしい」という理由で採用されすぎたのが理由だと思います。 (実際、共有ライブラリといったマイクロサービスの定番アンチパターンも知らずに採用して失敗している例をよく耳にしました)
巨大なシステムに手を入れるのはどうしても難しいため、サブシステム分割という考え方自体は重要であり、もうしばらくすると「マイクロサービスの落としどころ」のような話題も流行するのではないかと想像しています。
マイクロサービスの代替案として数年前から言われるようになった「モジュラモノリス」については、そろそろ広まるかもしれないと思っていたのですが、今年の時点ではまだあまり広まっていないようです。 著名なフレームワークがモジュラモノリスをがっつりサポートしたりしない限りは、なかなか浸透しないのかもしれません。
Tailwind CSS
Web フロントエンドでは、Tailwind CSS がかなり話題になっていた印象です。
私はさわっていないので細かく評価できないですが、流行の理由などは以下の記事が個人的にしっくりきました。
ノーコード
2021 年の前半では、ノーコードがかなり話題になっていたと思います。
いわゆるエンタープライズ系のノーコードツールというよりも、Glide、Adalo、Bubble といったツールについて耳にする機会が増え、実戦投入可能なレベルだという話もよく聞きました。
HP 制作などはある程度 Wix といった SaaS サービスで実現できるようになっているとよく言われており、簡易的なアプリケーションであればノーコードでできると言われてもおかしくはないと思います。
一方、ある程度以上複雑なアプリケーションをノーコードで開発する際のデメリットは引き続き大きいと思いますし、データ設計など、IT エンジニアとしての知見自体は今後も長く役立つと個人的に考えています。
リモートワーク・オンラインイベントツール
2020 年に引き続きリモートワーク中心ななかで、
- Gather
- Remo
- oVice
といった、リモートワーク・オンラインイベント系のツールが浸透したように思います。
これらはキャラクタを移動しながら近くの人と会話できるといった特徴があり、現実の仕事場やイベント会場のような雰囲気を味わえるようになっています。
自作◯◯
2021 年 3 月に発売された「ゼロからのOS自作入門」は、今年 IT 業界で話題になった書籍のトップだと思います。
この本を手に取りながら OS を自作した方も少なくないと思いますし、他にも
- 自作 CPU
- 自作 TCP/IP プロトコルスタック
- 自作 RDBMS
など、様々な自作系の話題を見かけました。
「自作◯◯」については今年に限らず話題になることはありますが、今年は特別トレンドだったと言えると思います。
メタバース
「メタバース」は、Facebook が Meta に社名変更したあたりから、バズワード的に流行している言葉です。
現状この言葉が何を指すかはかなり揺れているようですが、もともとは、「世界」などを意味する “universe” に「その先」を意味する “meta” をつけてできた言葉だそうです。
ざっくり言えば VRChat や Cluster、NeosVR といったいわゆる VR SNS が近いと思います。 (Cluster や NeosVR は公式にメタバースプラットフォームを名乗っています)
今後もメタバースという言葉自体が使われ続けるかは分かりませんが、VR で活動するような流れは進んでいくのが自然だと思います。
NFT (Non-Fungible Token)
数年前から耳にすることはあった「NFT」ですが、この一年でかなり一般に浸透したように思います。
ただ、この記事では深堀りしませんが、誤解を生みやすい説明が多く、本当に NFT で実現できることとそうでないことが混乱して理解されていることが多いと感じます。
実際にどこまで可能かなどがかなり誤解されていると思うので、個人的に NFT はバブル的な流行の可能性も低くないと考えています。
総括
以上、2021 年に自分のまわりで感じた IT トレンドについて書きました。
この中からさらに厳選するのであれば、特に
- MLOps
- 自作◯◯
- メタバース
の 3 つだと思います。
個人的には VR がかなりアツい分野だと思っており、遠くないうちに爆発的に大流行するのではないかと思っています。