IPv6 はその知名度自体は高いですが、IPv4 アドレスについては普段からふれるためある程度分かるものの、IPv6 アドレスについてはよく分からないという方も少なくないのではないかと思います。
そんな方に向けて、CCNA に出題される範囲で、IPv6 の構造や種類を整理しました。
※ 記載しているコマンドは Cisco 機器のものになります。
IPv6 アドレスの構造
IPv6 アドレス = サブネットプレフィックス + インターフェイス ID
IPv6 アドレスの種類
-
ユニキャストアドレス
- グローバルユニキャストアドレス (2000::/3) … インターネット上で一意
- リンクローカルユニキャストアドレス (fe80::/10) … 同じサブネット上での通信が可能
- ユニークローカルユニキャストアドレス (fc00::/7) … 企業などのローカル
- サイトローカルユニキャストアドレス (現在は利用されない)
-
マルチキャストアドレス (ff00:/8)
- インターフェイスローカル (ff01::/16)
- リンクローカル (ff02::/16)
- サイトローカル (ff05::/16)
- 組織ローカル (ff08::/16)
- グローバル (ff0e::/16)
- エニーキャストアドレス … 複数の機器に同じアドレスを割り当てる。ユニキャストアドレスと同じ構文
インターフェイス ID
インターフェイス ID については、
- 手動
- DHCP
- EUI-64 形式で自動生成
のいずれかで決まる。
EUI-64 形式でのインターフェイス ID の自動生成
リンクローカルユニキャストアドレスの場合
リンクローカルユニキャストアドレスは、サブネットプレフィックスが fe80::/64 で固定であり、インターフェイス ID だけ決まれば良い。
EUI-64 形式で自動生成したインターフェイス ID でリンクローカルユニキャストアドレスを割り当てる場合は、以下のコマンドを実行するだけで良い。
(config-if)#ipv6 enable
グローバルユニキャストアドレスの場合
サブネットプレフィックスは手動で設定する場合
サブネットプレフィックスは手動で設定し、インターフェイス ID は EUI-64 形式で自動で設定するには、以下のコマンドを実行する。
(config-if)#ipv6 address <アドレス>/<プレフィックス長> eui-64
サブネットプレフィックスも自動で設定する場合
SLAAC (Stateless Address Auto Configuration) を使うことで、DHCP を使わずにサブネットプレフィックスを含めたグローバルユニキャストアドレスを自動設定できる。
コマンドは以下のようになる。
(config-if)#ipv6 address autoconfig