近年、エストニアの電子政府 e-Estonia が注目を集めています。
特に仮想国民として登録する e-Regidency については、著名人も大勢登録しており、興味を持っている方も多いと思います。
また、e-Estonia を成立させる技術である KSI ブロックチェーンや X-Road について、IT 関係の職種の方であれば知っておいて損はないでしょう。
この記事では、そんな e-Estonia について知るための書籍 3 冊を紹介します。
ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来
電子政府 e-Estonia について、その実態や背景となる歴史・思想などを幅広く書いた書籍です。
スカイプから繋がるスタートアップのエコシステムや、エストニアの教育についても書かれています。
技術的な内容として、X-Road や KSI ブロックチェーンについても簡単に解説されています。
2018 年末に出版された書籍なので、情報も比較的新しいです。
e-Estonia について幅広い情報を得たい場合、この書籍が適していると思います。
未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界
こちらも電子政府 e-Estonia について一通りを解説した書籍になっています。
上記の『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』と比べるとページ数は半分程度で、比較的気軽に読める書籍になっています。
ブロックチェーンに関する説明はありませんが、X-Road についてはその構成などまで簡単に解説されています。
2016 年に出版されたもののため、情報が少し古い箇所もあるのでご注意ください。
e-エストニア デジタル・ガバナンスの最前線
e-Estonia でオンラインで提供されているサービスについて、イラストや写真とともに解説した書籍です。
e-Estonia が持つオンラインサービスについてさっと把握したい場合に役立ちます。
書籍というよりは分厚いパンフレットのようなイメージになります。
おわりに
私は上記の 3 冊を通して、電子政府として聞いたことがあったエストニアについて、具体的にどのようなものが電子化されているのか、電子国民というのはどういったものなのかを体系的に知ることができました。
また、初めて目にした KSI ブロックチェーンや X-Road は非常に面白い技術でした。 これらは電子政府 e-Estonia という入り口以外からだと触れる機会がなかなかないと思われますが、IT 関連職の方には是非概要だけでも知ってほしいです。 特に X-Road によるデータ連携基盤の構築ついては、昨今のマイクロサービス化の風潮とも近い点があり、非常に興味深いです。
個人的に e-Estonia に今後も注目していきたいので、e-Regidency に登録してみたり、X-Road についてより深い情報を収集していければと思います。