AWS 認定ソリューションアーキテクトアソシエイト (SAA) の試験が 2020 年から改定され、SAA-C02 という試験になりました。
試験範囲の変更に伴い、学習用の書籍の改訂版が 2021/01/30 時点で 3 冊ほど登場しています。
この記事では、それら 3 冊を比較していきます。
(模擬問題付き)改訂新版 徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書[SAA-C02]対応
2021 年 1 月 11 日発売の書籍です。
「教科書」の名の通り、AWS の入門知識が体系的にまとめられています。
AWS の基本サービスや高可用アーキテクチャ、パフォーマンス、セキュリティ設計、コスト最適化について一通り書かれています。
特に各種ベストプラクティスが手厚く解説されており、後述する 2 冊よりも AWS における設計を学ぶのに適しています。
認定試験の対策に限らず、AWS を学ぶための入門書としてもオススメできます。
こちらの書籍の感想は以下の記事にも書いているので、是非参照ください。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト 改訂第2版
2021 年 1 月 30 日発売の書籍です。
AWS の各サービスの説明を中心とし、AWS におけるアーキテクチャ設計の解説や、模擬試験問題も付属しています。
各サービスの説明が他の 2 冊によりもかなり丁寧で、より詳細な設定などまで書かれています。
FSx や Redshift、Code シリーズなどについてもある程度ページを割いて解説されており、AWS の基本サービスを一通りおさえることができます。
アーキテクチャまわりの解説は簡素なので、別途勉強が必要になります。
一夜漬け AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト[C02対応]直前対策テキスト
2020 年 11 月 9 日発売の書籍です。
タイトルの「一夜漬け」の言葉の通り、試験問題を強く意識した内容になっています。
AWS について体系的に学ぶというよりは、試験問題を解くためのポイントをまとめた書籍となっています。
ある程度前提知識が求められる説明となっているので、他の書籍などで AWS を学んでから読むことをオススメします。
先に紹介した 2 冊には書かれていない設計なども書かれていたりします。
一部用語の説明の誤りや回答の誤記などが見受けられるので、読み進める際は注意が必要です。
比較表
これら 3 冊の特徴をまとめると、以下のようになりました。
書籍 | 体系的 | 直前詰め込み的 | 各サービスの解説 | ベストプラクティスの解説 | 問題量 | 初心者向け |
---|---|---|---|---|---|---|
◎ | △ | ○ | ◎ | △ | ○ | |
○ | △ | ◎ | △ | ○ | ○ | |
× | ○ | △ | △ | ○ | × |
前提知識によってどれがオススメかは変わってきますが、例えば AWS についてほとんど知らない方が勉強する場合は、この記事に紹介した順で手に取ってみることをオススメします。
これらを読む前に必要な知識
今回紹介した 3 冊に共通して、画面キャプチャを使ったりしての使用手順の解説などはありません。
そのため、AWS などのパブリッククラウドを多少さわったことがないと読み進めるのは難しいです。
そういった方は、『Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版』を先に読んで手を動かしてみることをオススメします。
また、この書籍を読む場合もそうですが、AWS を学ぶには最低限のネットワークの知識が必要になります。
ネットワークの基礎を勉強するには、以下の 2 冊が定番かつ非常に分かりやすいのでオススメです。
これらの書籍については、以下の記事にも概要を書いています。
おわりに
AWS 認定は AWS を体系的に学ぶのに非常に適しています。
その第一歩として SAA 資格を取得してみるのは、多くの IT エンジニアにとってとても有意義だと思います。
この記事が資格取得を目指す方の参考になれば幸いです。