2021 年 2 月に発売された書籍『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』を読んだので、感想を書いていきます。
概要
この本は、表紙にも書かれている「CDP (Customer Data Platform)」の解説書です。
CDP をビジネスに活用するための知識がまとめられており、基本から具体的な構築方法、活用方法、事例などが書かれています。
Treasure Data CDP など、主要なツールも紹介されています。
CDP に関する日本語の解説書は現時点 (2021/03/10) では他に見当たらないです。
CDP について
私は CDP という単語自体初めて聞いたのですが、こちらの書籍を通してある程度イメージをつけることができました。
最初は CRM や MA に近いものかと思いましたが、CDP 自体は、CRM や MA などに活用するためのデータを扱う基盤のようなイメージが近いようです。
書籍の中にも書かれていますが、こういったデータ基盤はデータレイク・データウェアハウスなどを個別で構築して連携させることでも実現できるのに対し、CDP を利用するとそのツール内で完結して構築できるとのことです。
データの扱いについて
この書籍の特徴は、マーケティングの考え方の話だけではなく、データの扱いについても具体的に書かれていることです。
具体的には、Google AutoML Table を使った行動予測の例なども入っています。
AutoML は機械学習やプログラミングの専門知識がない方でも利用できるサービスで、個人的にも結構注目しています。
他にも書籍全体として、データの管理についてのある程度具体的な話もあるので、IT エンジニアとはいかないまでも、データの取り扱いに抵抗がない人の方が楽しめると思います。
まとめ
タイトル的にはビジネス書に近い内容かと思いましたが、実際にはデータの扱いなどを含め、ある程度具体的に解説されている書籍でした。
「これさえ読めばすぐ実務に活かせる」という訳にはいかないかもしれませんが、CDP について全体像を知っておくにはちょうどいいと思います。
データの扱いとマーケティングの両方にある程度イメージがあり、CDP という単語に興味がある方におすすめです。