先日発売された『基礎からのIT担当者リテラシー』を早速読んだので、感想を書いていきます。
概要
まずはじめにこちらの書籍の概要ですが、簡単に言えば、IT 担当者としての業務に必要なキーワードを知って、今後学んでいくための足がかりとするものです。
対象読者は、IT 意味経験で IT 担当者に任命された方や、IT 環境の管理が必要になってきたと感じる経営者の方となっています。
IT 環境の整備について
こちらの書籍では、PC や周辺環境の整備に始まり、
- オフィスアプリケーション
- グループウェア
- 各種業務システム (会計・勤怠管理・労務管理・顧客管理など)
など、小さな会社であっても必要になるシステムについて簡単に説明されています。
それぞれの有名な SaaS サービスも書かれており、会社に各種システムを導入していく上で参考になると思います。
こういったサービスについては、そもそも存在を知らないと導入を検討することすらできないので、こういった本を通して概要だけでも知っておくことは非常に有用だと思います。
エンジニアでもあまり知らない知識もある
私はもともと IT エンジニアなので知っている内容が多かったですが、参考になる点もたくさんありました。
例えば、MDM によるモバイル端末の管理や、アカウント管理における「最小特権の原則」・「アカウント共有の問題」など、ソフトウェア開発に関わっているだけでは得られない、IT 担当者として必要な知識も書かれていています。
情報セキュリティについては、システムの脆弱性をついた「ハッキング」のようなものが心配されることが多いですが、それは気にすべき点の一部に過ぎません。
MDM の導入やアカウント管理など、ただエンジニアとして働いていても耳にすることの少ない考え方を抑えることも、情報セキュリティを学ぶ上で重要だと思います。
小さな会社の IT エンジニアにもオススメ
スタートアップなどの小さな会社でエンジニアとして働いていると、ただシステムを開発していればいいというものではなく、IT 担当者のようなかたちで IT 全般をどうするかを考える必要が出てくる場合があります。
CTO や CIO といったキャリアを目指すとしても、ソフトウェア開発の知識があればいいというものではなく、企業の IT 全般を考える必要があります。
この本は IT 担当者に任命された方や、企業の経営者に向けて書かれているとのことですが、小さな会社ではエンジニアが IT 担当者を兼ねることもありますし、エンジニアにもオススメできます。
次のステップ
本の冒頭に書かれている通りではありますが、この本だけでネットワークの知識などをしっかり理解するのは難しいです。
とはいえ、いきなりもう一歩踏み込んだ本から入ってしまうと、分からないことだらけで心が折れたり、全体像が見えなくなってしまうのではないかと思います。
まずはこの本で全体像を掴んでから、もう一歩踏み込んで勉強していくのがいいのではないでしょうか。